邦楽の楽器

○箏(こと・そう)・十七絃(じゅうしちげん)○
箏は13本の絃を、指につけた付け爪ではじくことで音を奏でる弦楽器です。 その歴史は奈良時代に唐から伝来し、賢順・八橋検校・生田検校・山田検校などによる 楽器・奏法・楽曲の改良を経て現在に至ります。生田流と山田流の大きな二流派があり、 九大邦楽部では生田流の箏曲をやっています

材質 : 楽器本体は桐で出来ています。
代表曲 : 『春の海』、『六段』

十七絃は箏曲家 宮城道雄が開発した楽器で、その名前の通り絃が17本あり、箏よりも低い音域の音を出せます。

○三絃(さんげん)・三味線(しゃみせん)○
三絃は左手の指で三本の絃を押さえ音程を調節し、右手に持った撥で絃をはじいて演奏する楽器です。 ギターやインド楽器のシタールなどの仲間です。 「さわり」という倍音を増幅する構造があり、独特の響きのある音が出ます。 その種類は演奏するジャンルによって多くに分かれ、九大邦楽部では地唄三味線を使用しています。

材質 : 胴に張ってある皮には猫や犬もしくは合成皮革を、胴と棹の部分には紅木・紫檀・花梨などを使用しています。
代表曲 : 『残月』、『明鏡』

○尺八(しゃくはち)○
古くは雅楽にも用いられており、現在の尺八は江戸時代、虚無僧が仏具として使用していた「普化尺八」を原型としています。その名の通り、一尺八寸(およそ54.5cm)のものが一般的ですが曲によってそれより長い物、短いもを使い分けます。

その構造は節を抜いた真竹の内側に漆などを塗り五つの穴をあけただけの単純なもので、演奏者の指、息の使い方が音色に直接かかわってくる楽器です。

 

材質 : 本来竹製ですが、安価なもので木製のものやプラスチック素材のものもあります。

代表曲 : 『巣鶴鈴慕』

雅楽の楽器

○篳篥(ひちりき)○
篳篥は竹製の縦笛で、蘆舌という二枚のリードを振動させて音を出す楽器です。その大きさからは想像できないほどの大きな音を出すことができます。

雅楽では主旋律を担当し、その音色は「人の声」を現しています。

穴の抑え方のほかにも蘆舌の加え方、息の使い方などを調節して様々な音を奏でることができます。

篳篥の演奏法で、指の位置は変えずに口の調節だけで音を下げることを「メリ」、ある音を強く吹くことを「ハリ」といい、そこから「メリハリ」という言葉が生まれました。

 

 

 

○龍笛(りゅうてき)○
龍笛は竹製の横笛で、尺八と同じくエアリード類です。

雅楽では副旋律を担当し、その音色は「舞い立ち上る龍の鳴き声」にたとえられます。

2オクターブという音域の広さを生かして主旋律と絡み合うような演奏をします。

尺八と似た構造をしていますが、全体のバランスをとるため先端部に鉛のおもりが入れられている点で異なっています。

シルクロードを渡り、西洋でフルートになったといわれています。

○笙(しょう)○
笙は17本の竹の筒で出来た管楽器で、ハーモニカの源流とされ、吹き口から息を吐くだけでなく吸っても音が鳴り、吸ったり吐いたりして演奏します。

竹管に開けられた穴を指でふさぐことによって色々な和音を奏でることが出来、 その美しい音色は天から射し込む光を表すと言われています。

和音を鳴らし続け、雅楽の神秘的な雰囲気を作るのに欠かせない楽器です。

湿気に弱く、演奏前後、楽器を焙って温めなければ、調律が狂ったり音が出なくなったりするとてもデリケートな楽器です。

 

○打物(うちもの)○

雅楽で用いる打楽器の総称で、我が部では鞨鼓、太鼓、鉦鼓をもちいます。

鞨鼓(かっこ)

合奏での指揮者の役割を果たし、打物の中では第一位とされています。

両手に持った細いばちを打って弾ませることで音を出します。

太鼓(たいこ)

舞台の中央正面に座り、大きな音で曲のリズムをリードします。

鉦鼓(しょうこ)

雅楽唯一の金属楽器で、軽やかな高音で演奏をより一層華やかにします。

 

○糸物(いともの)○

雅楽で用いる弦楽器の総称で、我が部では楽筝を用います。

楽筝

絹糸でできた13の絃を持ち、曲の伴奏を担当します。

楽琵琶

現在は所有していませんが雅楽で大切な楽器で、四本の絃を持ちリズムを担当します。